答志島架橋に関する一般質問

鳥羽市議会

・「平成11年 9月」第3回定例会 片山幹夫議員     

「平成11年9月」第3回定例会 9月9日
(片山議員)一般質問
 第1は離島振興対策と答志島開発構想の経過の対応についてお尋ねをいたします。
 私は6月の一般質問でも離島が持つ課題や離島の観光への活用等につきまして日ごろの思いを私なりに提言を含めまして広く、浅く質問をいたしましたが、市長からは離島の課題は市の力で及ばない部分につきましては県管理の位置づけを要請していくことと、また観光への活用については観光形態が多様化し、自然志向型という時代に向かって遊歩道の整備を順次実現していくという前向きな答弁をいただきましたので、今後に大きく期待をしているところでございます。
 離島の人口が今5,400人の中で65歳以上の高齢者が実に26%、1,450人を数える現状の中で、これからの高齢者、あるいは弱者の福祉対策や介護保険制度の公正な対応など難題が山積しておりますけれども、そのほか地域の集会等で最も集中する課題は住民の本土との足、すなわち海上交通の利便性の改善と、もう一つは島の中で生計が成り立つ経済基盤、つまり地場産業の振興策に絞られてくるのでございます。
 このような特殊な課題について市独自の企画を県行政や国の離島振興法に十分反映していただいて、ときには発想の転換も含めまして抜本的な振興策を推進をしていただきますように重ねて要望いたしたいと思います。
 そこで前回の広範にわたる質問から、今回は焦点を絞ってただしたいと思います。まず人口3,500人を有し、海岸線26キロ、唯一島内で県道を有する答志島を他県の実例のように海と島の資源、そして海産物等の特徴を生かして観光に連携させるなど、振興開発に向かって本格的に検討してみる構想はいかがなものでしょうかと、お尋ねいたします。
 1点目は去る昭和62年に本市は三重短期大学の研究室とともに当時の答志島の現状分析を行い、答志島全世帯を対象にヒアリングやアンケート調査も実施されまして、将来を展望した中身の濃い、答志島開発構想調査報告書が発表された経緯がございます。そして本市はその報告書に基づきまして地域住民説明会も開かれまして、また各地域では答志島開発構想委員会も結成して構想実現のための検討を重ね、地域として大きな関心と熱意を示しまして、将来実現に向かっての大きな期待というものを持ったものでありました。
 しかし、これが平成の時代に入りましたら、この構想の話題がぷっつりと途絶えてしまったという経過がございます。開発構想の内容については時間の関係もありますのでとりたててご披露するまでもございませんが、大まかな概要は道路、交通体系の整備、地元産業の振興、観光ルートの整備と観光資源の活用など10項目にわたり項目ごとに具体的な構想が描かれておりまして、島民にとりましては夢が膨らむ内容がシュミレーションされておりました。
 振り返りますと12年前のこのビジョンが地域の期待どおりにできるところからでも実現に向かっての検討推進が図られていたならば、もう少し島の将来も明るさがあったのではないかと。住民意識もありますし、市当局で開発構想自体が前向きな検討がなされないままに忘れ去られていたのではないかとこういうふうに思うところもあります。
 そこで当時答志島開発構想調査報告書が完成しましてから、その後の取り組みの経緯と今本市の離島振興行政の中で実現のために検討し、活用されているのかどうか。あるいは第4次鳥羽市総合計画への位置づけを考えておられるかどうか、お尋ねいたします。


(井村均市長)答弁
この構想調査につきましては昭和62年浜口市長の時代に実施されたものでございまして、当時は景気もよく最大離島の答志島に橋をかけて島の振興を図りたいという思いから、架橋の実現を前提にして答志島の開発をどう進めるべきかをめぐる目的で三重短期大学地域問題総合調査研究室に調査依頼をしたものと聞き及んでおります。その後経済状況の変化もあり、また財政事情も厳しくなってまいりまして、構想から計画へと進まず方向性が見出せないまま現在に至っております。
 しかしながら、この調査報告書にも漁業と観光の連携や、また振興を図ることが記述されていますが、その方向に沿った漁業振興策や観光に配慮した海水浴場の整備などを行ってきたものもあります。しかし、全体としては日の目を見ていないものが多いわけでございますが、内容的には今日課題であるものもございますので、今後答志島の振興を考えていく上に当たって活用していきたいと考えております。

(片山幹夫議員)2問目
 また第2項目目の2問目でございますけれども、構想では橋梁での事業化を図る前提で現地調査が行われてまいりまして、過去11年間我々離島地域いろいろと調査に協力もしてまいりましたけれども、ただいまの市長の答弁では技術的には橋梁は可能であるということでございますけれども、もう一方ソフト調査といいましょうか、社会経済調査すなわち地域活性化策や事業採算性での検討調査も実施されているとお聞きしますけれども、本市にかかわる部分でその結果等について把握しておられましたらお聞きしたいと思います。
 もう一つは早期実現のために建設促進同盟会の積極的な活動や関連団体等が建設機運を盛り上げるべく幾つかの運動が展開されているとお聞きしますけれども、この種の運動に本市はどの程度参加しておられますのかお尋ねいたします。
 以上、2問目の質問を終わります。

(井村均市長)答弁 2問目
 それから伊勢湾口道路の2点目の事業採算性については検討をしているのかという部分につきましては、ただいまのところいわゆる橋梁、伊勢湾口道路を第二国道軸として建設を進めていくという国策の中での事業促進を私どもは願っておりますので、私どもの市としての単独での事業採算性については調査はできておりません。今後期成同盟会等に参加しています我々としましては、いろいろな面から採算性も含めて検討をする中で早期の実現を促進されるように運動をしていきたいと考えております。特に三重県の南部の郡、特に市町村におきましては伊勢湾口道路ができることによって三重県の南勢地域もさらに発展をするということと、奈良から和歌山に抜けてこれまで交通不便地域でありましたところに新たな国土軸の一環として伊勢湾口道路が位置づけられて開発をされることに、私どもとしては大きな期待を寄せて運動を進めているということでご理解をいただきたいと思います。

(片山幹夫議員)3問目 要望
 最後の2項目目の湾口道路の関係でございますけれども、どういうルートを通るにしましてもとにかく鳥羽市を関係なく行き過ぎてしまっては、仮にどの島を通っても鳥羽関係なく伊勢市へ行ってしまっては何のメリットもないと思いますので、その辺は市民が願うところと思いますので主体性を持った今後の強い県や国に対する鳥羽の事情を訴えていただいてよろしくお願いを申し上げまして、私の二つの項目についての質問を終わらせていただきます。
 

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