答志島架橋に関する一般質問

三重県議会

・「平成17年 6月」第2回定例会   中村  勝議員   

◎中村県議会議員
私は、島の生活が豊かになった以上に本土がもっともっと豊かになり、そして、相も変わらず本土への交通手段が船しかない、離島の後進性をぬぐい切れないからだというふうに思っております。いつまでたっても本土並みにならない。そして、島の産業である漁業の不振があるのではないかと思います。人口流出と少子・高齢化は島のコミュニティーや生活そのものを崩壊させかねない、そんな状況にあるというふうに思います。今、本気で島民の願いをかなえなければならないと強く思っているところでございます。
 離島振興法に基づき市町村がつくった計画案を土台に策定したのが三重県離島振興計画であります。この計画を読ませていただきましたが、離島振興法のいわゆる主語、「都道府県は」となっているのは、第4条の振興計画の策定及び第10条の医療の確保だけであります。それ以外は「地方公共団体は」となっております。すなわち、県なのか市町村なのかはっきりしないということであります。
 そこで、知事に離島振興についてお伺いしたいと思います。
 まず、1点目、この離島振興計画のうち、県が行うべき役割について明確にお答えをいただきたいと思います。
 2点目、離島はとりもなおさず交通不便地であります。知事は、2月の議会で、離島架橋は長期的課題と答弁いただいております。長期的課題だけではいつまでたっても橋はかからないだろうと思います。例えば橋を20年後にかけるためには、今、島民は、そして市民は、そして県は何をしなければならないのか、知事のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 3点目、それまでの間、離島であることを余儀なくされるわけでありますが、人口流出に歯どめをかけるために少しでも海上交通の便をよくすることが重要であると振興計画にも述べられておりますけれども、この鳥羽・神島定期航路は現在市営定期船として運営されております。鳥羽市は、いわば市道と位置づけることによって運賃を国の標準単価よりも低く抑えているわけであります。それでも、神島の片道切符は710円、往復で1420円かかります。多分、鳥羽から津までの近鉄の運賃がこれぐらいではないかというふうに思っております。三重の離島としてぜひとも位置づけていただいて、もっと県として主体的な補助を行うべきではないか、そんなふうに思います。
 4点目は、さきの定例会で、私の前任でありました木田前議員の質問に対しまして、鳥羽の市営定期船の運営に関してワーキンググループをつくり、高速化も含め検討すると答弁いただいております。その検討内容についてお答えいただきたいと思います。
 また、これまで、県支出金は、欠損金3000万円まではその4分の3、3000万円を超える部分については、その4分の1を支出いただいておりました。この基準はそのままあるわけでありますけれども、昨年度から5カ年で船員費を標準人件費、これはどういうふうにはじくのかわかりませんけれども、標準人件費にすることによって実質補助金をゼロにしてしまう、そんな方針だというふうに聞いております。これが実施されますと、いたずらに島の住民の皆さんの負担を大きくし、離島振興計画に反するのではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。御答弁をよろしくお願いいたします。
   〔知事 野呂 昭彦君登壇〕

◎知事(野呂昭彦君) 
まず、離島振興についてでありますけど、離島振興計画につきましては、離島振興法に基づきまして、市町村の原案のもとに県と市町村が連携して策定するということでございます。地域の創意工夫を生かした離島振興を進めるものでございますが、計画の推進に当たりましては、県とともに地元市町村とか、あるいは地域の主体的な取組が求められております。
 県の役割についてお尋ねでございますけれども、離島振興計画に基づく事業につきましては、国庫補助金のかさ上げなどの財政支援を受けられるというところでございます。県といたしましては、こうした支援措置を最大限に確保いたしまして、厳しい自然、地理的条件、こういったものによって立ち遅れております離島の生活環境でありますとか、産業基盤の整備、充実に引き続き取り組んでいくことが重要な役割の一つであると考えております。ちなみに、平成16年度におきまして、計画に基づきます離島振興対策事業として、およそ10億4700万円の事業実績を上げているところでございます。
 また、離島の自立的な発展を促進するためには、離島の豊かな自然でありますとか文化、こういった地域固有の資源を活性化につなげていくということが求められるわけでございます。このために、市町村や地域住民の創意工夫によります取組というものを積極的に促していくことが県としての役割として期待されております。
 今後でありますけれども、三重県といたしましては、離島振興計画を着実に推進していくために、立ち遅れました生活環境面などの整備を進めるとともに、地域住民や市町村の創意工夫による活動を積極的に支援してまいりたいと考えております。
 離島架橋についてお触れでございます。この離島架橋の問題につきましては、島民の皆さんから強い御要望があるということについては十分承知をしておるところでございます。
 お話の中にありましたように、本年、第1回定例会の中で鳥羽選出の木田前議員から御質問がございました。その中の答弁でも申し上げたとおり、非常に厳しい財政状況の中に、これは県、国全体がそういう状況にあるという中で、現時点では長期的な課題であると認識いたしておるということを申し上げたとおりでございます。
 離島対策につきましては、産業、それから交通、生活環境など幅広い取組が必要でございます。したがいまして、今後、地域住民の皆さんとか鳥羽市、こういったところの合意形成を踏まえながら離島地域全体の振興を考える中で、この架橋の問題も含めて幅広く検討していかなければならないと、こういうふうに思っておるところでございます。

◆1番(中村勝君) ありがとうございました。
 知事のもう少し突っ込んだ答弁をいただきたかったんですが、やはり現在の財政状況の中で長期的課題であるという、これ以上の踏み込んだ答弁はいただけなかったんですが、私は、一朝一夕に架橋ができるというふうには当然思っておりません。このまま長期的課題であるという答弁が続くならば、たとえ30年たっても40年たっても橋が実現しないのではないかというふうに思っておりまして、例えば30年後に県の財政状況なり、あるいは国の状況がどうなっているのかということは、これは当然予測が難しいわけでありますので、ぜひとも地元の盛り上がりという面も大事だと思いますので、私は、この質問をさせていただいて、私自身、議員としての離島架橋に対して、私の政治活動の中で何とか目鼻をつけて、そして、生きておるうちにぜひ橋を見たいな、そんなふうに思っておりますので、どうか、知事さんを初め県の皆さんの積極的な御支援を、そして取組をお願いしておきたいと思います。
 定期船の問題でありますけれども、経費の部分で人件費の占める割合が大きいというのは承知をしておりますけれども、鳥羽市としても、船員の人件費の削減については御承知かと思いますけれども、精いっぱいの努力をして時間外等を削減しておる、そういう最中であります。これから、鳥羽市としても経営の改善努力をしていくというふうに思いますし、私も側面から支援をしていきたいと思いますので、国に合わせる形での標準人件費というんですか、これについては、いわゆる収支、実際にかかった経費と収入に対する差し引きの損金、マイナス面について、ぜひとも今の制度を続けていただきたいと思いますので、その点について、再度、御答弁をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

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答志島架橋建設促進協議会