答志島架橋に関する一般質問

三重県議会

・「平成13年 2月」第1回定例会  木田久主一議員    

◎木田県議会議員
 離島振興策の究極の方策は、架橋による離島性の解消であると考えます。以前の私の一般質問とも重複しますが、よろしくお願いしたいと思います。
 平成8、9年度に行われました財団法人日本離島センターによる調査によりますと、既に58橋の離島架橋が実現をしております。離島架橋の効果については、24時間、自由で信頼性の高い交通手段の確保が可能となる点で大きな効果をもたらします。特に、医療や消防面で緊急時に迅速な対応が可能となり、人命救助の面から見たナショナルミニマムを確保するとともに、生活利便性の向上や産業振興への寄与、地域間交流の促進により地域ハンディキャップを是正するなどさまざまな効果をもたらします。また、本土側においても、商圏の拡大や住民のレクリエーション活動の広がりなどの効果をもたらします。
 既にかけられた離島架橋の例を二つだけ挙げてみたいと思います。
 まず、山口県角島大橋であります。ちょっと見にくいかもわかりませんが、ここに写真がございます。(資料を示す)
 この山口県角島は、人口約1000人、橋の長さが1780メートルで建設費が149億円であります。途中に橋台になりそうな小島がここにあるわけですけれども、国定公園の景観を大切にするという理由で、わざわざその小島を迂回して橋がかけられました。
 次に、広島県の安芸灘大橋であります。これ、安芸灘大橋です。(資料を示す)
 この橋がかかる下蒲刈島という島ですけども、ここは人口約3000人、橋は1175メートルで建設費は350億円であります。これは船舶の通行があるために、つり橋を採用しまして、建設費も多くかかっております。この安芸灘大橋は安芸灘諸島連絡架橋のうちの一つということでありまして、連絡橋は既に6橋がかけられております。あと3橋をかけることによりまして、しまなみ海道に通じるということになります。すべての離島を橋で結ぼうと計画する広島県、一つも離島架橋のない三重県、余りにも違い過ぎる境遇であると私は思います。
 答志島は、本土と近接するイルカ島から約700メートル離れた島で、約3000人が生活を営む三重県最大の離島であります。今までこの架橋につきましては、伊勢湾口大橋がどのルートを通るかわからないという議論がされていたわけですけども、ここにもし橋がかかれば、伊勢湾口架橋は菅島ルートをとれば問題はないと、発想の転換が必要であるというふうに私は考えております。三重県は、公共事業評価システムをスタートさせようとしております。地域係数1.4ではとてもこの離島架橋が着工できるとは思いませんが、知事の戦略的な考えによりぜひ実現をしていただきたいと思います。
 ご清聴ありがとうございました。また、遠方から応援に駆けつけていただきました皆さんにもお礼を申し上げまして、壇上からの質問を終わらせていただきます。(拍手)


◎県土整備部長(原田禮嘉君) 
 離島振興ということで、答志島への架橋、離島振興のため他県の例に倣い架橋整備ができないかということでございますが、答志島への架橋につきましては、その前提となります海上部を含めて県道として認定することが必要と考えております。現時点では、認定条件となります地域開発計画が特にないことから、路線認定は非常に難しいと考えております。しかしながら、もし架橋をするといたしますと、考えられるルートといたしましてはイルカ島を通るルートが考えられますが、この中で2橋あわせて1キロメートルを超える長大橋となります。これに要する費用は概算でございますけれども、数百億円程度かかるものと想定をされております。この莫大な費用を要することから、昨今の財政事情及び投資効果から見て、現時点では困難と考えておりますので、よろしく御理解を賜りますよう、お願い申し上げます。
 以上でございます。

◎木田県議会議員
答志島の架橋ですけども、お金がたくさんかかって困難であるという県土整備部長の御返事でございますけども、知事さんとして、先ほど私言わせていただきましたけども、無人島も含めて六つも橋をかけて、あと三つかけようとしているところもある中で、費用がかかるから難しいだけでいいのかどうか。それが知事さんのお考えと合致するのか、その点についてお考えをお聞かせ願いたいというふうに思います。

◎北川知事
答志島に対する架橋の問題は、先ほど御指摘いただきましたように、費用対効果ということで、評価システムを私ども取り入れております。したがいまして、そういったことから費用対効果も考え、また、政策的課題としても考えて取り組むと、こういうことにはなりますけれども、今、当面莫大な費用がかかるということで、私も困難という認識を持っております。

◎県土整備部長(原田禮嘉君) 
架橋に関連しまして、公共事業評価システムの中の扱いでございますけれども、公共事業評価システム、来年から施行させていただきたいと考えております。その中でも地域係数ということで、特に離島ということでの配慮といいますか、その辺は載せていただいておりますが、戦略性ということも中にうたわさせていただいております。戦略性ということで位置づけて、ワンランク上げるということにいたしておりますが、いずれにいたしましても、公共事業評価システム、B/Cというものを重視をして判断をするという一番大もとの基本がございますので、それに沿ってやっていきたいと思いますが、来年施行をやる中で、いろいろまた矛盾が出てくれば、訂正もしていきたい、直していきたいと考えております。
 なかなかぴったり合うかどうかわかりませんけれども、こういうことで、客観性、透明性も上げていきたいということで取り組んでおりますので、御理解を賜りたいと思います。

◎木田県議会議員
 それから、県土整備部長には、県道への昇格が難しいというふうに言われましたけども、今、鳥羽市16漁協の合併という問題もありまして、その市場を一つに統合しようと、それが今のところまだ案ですけれども、小浜地区というような案も出ているようなことを聞いております。そうしますと、そこへ至る道路も、やはり県道に昇格をしていただきたいというような考え方もあるようでして、それは観光バスを引っ張っていくとようなこともあるわけですけども、県道への昇格の御努力をお願いしたいと思いますので、見通しをもう一度お願いしたいと思います。

◎県土整備部長(原田禮嘉君)
 県道の認定でございますが、現在県道認定、今まで県はたくさんしてまいりました。私ども道路改良率が悪いということの原因等も調べた中には、県道に多く昇格、過去にさせたからという結果が出ておりまして、むやみやたらと県道には昇格させないということに当面いこうと思っておりますが、決して絶対だめだと言っておるわけではございません。
 ただ、地方開発等特に必要な道路というところの読み切りぐらいで、今読めるかなと、議員のお話を伺っておりますと、そういうことでございますので、またよく議論もさせていただいて、調査もさせていただいて、検討させていただきたいと思います。
 以上でございます。

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答志島架橋建設促進協議会